試合中に出てくる「不安」の正体とは?
2026/06/01
試合中に出てくる「不安」の正体とは?
~脳はなぜ大切な試合ほど不安になるのか~
高校総体。
多くの高校3年生にとって最後の大会です。
試合当日になると、
「緊張してきた」
「失敗したらどうしよう」
「負けたら終わりだ」
そんな感情が心の中に湧いてきます。
そして選手たちは思います。
「不安になってはいけない」
「緊張したら負ける」
「もっと自信を持たなければ」
しかし本当にそうなのでしょうか。
実は脳機能学の視点から見ると、
不安を感じること自体は何も悪いことではありません。
むしろ、それは人間として正常な反応なのです。
不安は弱さではない
スポーツの世界では、「メンタルが強い選手」という言葉が使われます。
そのため、「不安を感じること=弱い」と思われがちです。
しかし、
・オリンピック選手も、
・プロ選手も、
・日本代表選手も、
試合前には不安を感じています。
つまり、不安があることと、メンタルが弱いことは全く別の話なのです。
問題は、不安があることではありません。
不安に支配されることです。
不安とは何か
脳機能学的に言えば、不安とは「未来予測」です。
例えば、
・「ミスしたらどうしよう」
・「負けたらどうしよう」
・「怒られたらどうしよう」
・「期待に応えられなかったらどうしよう」
これらはすべて、まだ起きていない未来の出来事です。
つまり不安とは、現実ではありません。
脳が作り出した「未来の映像」なのです。
不安を作る脳の仕組み
脳の中には扁桃体という部位があります。
扁桃体は、危険探知センサーとも呼ばれています。
本来は、人間が生き延びるために必要な機能です。
危険を察知すると、身体を守るための準備を始めます。
・心拍数が上がる。
・呼吸が速くなる。
・筋肉が緊張する。
・集中力が高まる。
・実はこれらは、
身体が戦う準備をしている状態なのです。
つまり、緊張や不安は敵ではなく、
脳からの「準備をしろ」というメッセージなのです。
なぜ大切な試合ほど不安になるのか
高校総体のような大舞台では、不安が大きくなります。
なぜなら、その試合に意味があるからです。
どうでもいい試合なら、緊張しません。
どうでもいい結果なら、不安にもなりません。
不安が生まれるのは、それだけ本気だからです。
それだけ真剣だからです。
それだけ勝ちたいと思っているからです。
だから不安を感じたときは、「弱い自分」ではなく、
「本気の自分」がそこにいるのです。
不安に飲み込まれる瞬間
問題はここからです。
試合中にミスをすると、
脳は未来へ飛びます。
・「またミスするかもしれない」
・「負けるかもしれない」
・「怒られるかもしれない」
すると注意が、目の前のプレーから離れてしまいます。
そして、次のプレーにも集中できなくなります。
これが連続ミスの始まりです。
不安とは「今」にいない状態
fine理論では、不安とは「未来に意識が飛んでいる状態」と考えます。
試合は今行われています。
プレーも今行われています。
しかし不安な選手の脳は、未来へ移動しています。
・まだ起きていない失敗。
・まだ起きていない負け。
・まだ起きていない結果。
それらを考えている間、選手は「今」を失っています。
マインドフルネスが必要な理由
だからこそ、スポーツにおいてマインドフルネスが重要になります。
マインドフルネスとは、「今ここに戻る技術」です。
・呼吸に意識を向ける。
・足裏の感覚を感じる。
・ボールの感触を感じる。
・仲間の声を聞く。
・目の前のプレーを見る。
未来へ飛んだ意識を、現在へ戻していく作業です。
トップ選手は不安を消していない
多くの人は、トップ選手は不安がないと思っています。
しかし実際は違います。
トップ選手も
・不安になります。
・緊張もします。
・怖くもなります。
ただ一つ違うのは、不安を消そうとしないことです。
・不安があってもプレーする。
・緊張していても動く。
・怖くても挑戦する。
それがトップ選手なのです。
高校総体を迎える選手たちへ
もし今、不安を感じているなら安心してください。
それは弱さではありません。
・本気で取り組んできた証拠です。
・勝ちたいと思っている証拠です。
大切なのは、不安を消すことではありません。
不安があっても、目の前のプレーに戻ることです。
・呼吸をする。
・仲間を見る。
・次のプレーに集中する。
それだけでいいのです。
まとめ
試合中に出てくる不安とは、未来に対する脳の予測です。
不安は弱さではありません。
本気で挑戦している証拠です。
問題は不安があることではなく、不安に意識を奪われることです。
だから選手に必要なのは、不安を消す技術ではありません。
「今ここ」に戻る技術です。
そして、その積み重ねが、大舞台でも力を発揮できる選手をつくっていくのです。
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