指導者向けスポーツコーチング:今、部活動を考える(部活動地域移行に向けて)・・・その3 部活動での諸問題
2022/07/22
指導者向けスポーツコーチング今、部活動を考える・・・その3 部活動での諸問題
学校教育における部活動の存在価値は普遍的なものとして考えられてきました。しかし、学習指導要領に正式記載されるまでは随分慎重に審議がなされているようでした。そのため、部活動は業務なのか、ボランティアなのかの曖昧な時代がかなり長く続いていた感じがいたします。それも、先生方の生徒を思う自己犠牲精神に甘えているところは否定できないところです。
その証拠に、学力向上に向けての課外(補講・補習)活動に関しては、正式にペイするシステムが確立されています。現在は、違法行為だと指摘を受けたため代案で対応されていますが、平常の給与とダブルで手当を得ていた時代もありました。また、地方公務員として副業を認められていないはずなのに課外活動手当に関しては、保護者、そして生徒からの依頼を受けての活動であるとして公に認められている形となっております。これも完全に後付け話ではないかと首を捻るところです。
その反面、部活動に関しても重要な教育活動であると誰しもが認めるとここではありますが、手当に関しては特別活動勤務手当として平日は無し、土日祝に関しては4時間以上の顧問活動に関しては、30年以上前は500円程度であったと思います。500円の手当は、1時間ではなく4時間以上です。終日(8時間)部活動に関わる事案であっても500円でした。今考えると子供の小遣いレベルにも満たない手当であったのが不思議でなりません。しかし、誰も苦情を言っている感じでは全くありませんでした。それぐらい、部活動の重要性は全国民で認知されていることの表れだと考えるところです。その感覚に胡坐をかいていたのかも知れません。
しかし時代も変わり、先生方の部活動への理解にズレが生じ、意見が言いやすい時代となり、その説明に管理職も限界を感じたのか、現在は4時間以上の活動で2400円に値上げされています。しかし、時給にすれば600円です。8時間に換算すると300円。これも根本的な解決方法ではなかったかのように思います。
またこの手当に関しても先生方の対応も様々で、2時間の活動では申請できない、もしくは4時間活動はしているが書類に記載するのが面倒であると言って、申請しない先生方もみられました。
結局は、部活動顧問の委嘱は学校長ですが、手当に関する申請は、顧問教師の自由です。これも不思議なシステムです。
やはり、ある程度の年齢を超えた先生方(管理職含む)については、部活動は教師としての当たり前の業務であり、生徒指導面からしても重要な教育活動であるとの考えが根強く残っていることの表れではと考えます。ある県の調査では、部活動が生徒指導に関与しているかの問いに「関与している」「おおむね関与している」と7割近くの先生方が生徒指導への影響力が大きいと示唆しています。
このように、部活動は生徒指導面には必要だと感じてはいる反面、学力向上には部活動は必要はないと思われている先生方も多くいらっしゃいますし、また業務活動としても負担が大きいと思われている先生方も多くいらっしゃいます。これももっともなご意見だと思います。
学校現場においては、いつの時代も部活動問題は常に付き纏うものであり、学校全体で部活動に対する見解を統一するのは容易ではありません。ましてや今回の提案通りに当然市町村もしくは県単位においては社会体育に移行するとなると、その理念を浸透させることは容易ではないかと思ってしまいます。
その3 部活動での諸問題 終わり
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