人は「感情」で動いているのではない①
2026/05/13
「感情」「情動」シリーズ①
人は「感情」で動いているのではない
― 本当は“情動”に動かされている ―
「なんで、あんな言い方をしてしまったんだろう…」
あとから冷静になると、
自分でも驚くような言動をしてしまうことがあります。
・つい感情的になってしまった
・カッとなって怒鳴ってしまった
・焦って判断を間違えた
・不安で動けなくなった
・緊張で本来の力が出せなかった
多くの人は、
こうした状態を「感情の問題」だと考えています。
しかし、
脳機能学や心理学の視点から見ると、実は少し違います。
人間は、
「感情」で動いているのではありません。
本当は、
“情動”に動かされているのです。
「情動」と「感情」は違う
普段、私たちは
「感情」と「情動」を同じ意味で使っています。
ですが、脳科学ではこの二つは別物です。
簡単に言うと、
情動とは、身体が先に起こす“生理反応”。
感情とは、その反応に対して脳が後から与える“意味づけ”。
なのです。
例えば、突然、大きな音が鳴ったとします。
その瞬間、
・心臓がドキッとする
・身体がビクッと反応する
・呼吸が止まる
・筋肉が緊張する
こうした反応が先に起こります。
これが「情動」です。
つまり、脳が考える前に、身体が先に反応している状態です。
そして、その後に、
「怖かった」
「びっくりした」
「危なかった」
と、脳が言語化・意味づけを始めます。
これが「感情」です。
つまり、
情動 → 感情
という順番なのです。
人間は“考える前”に反応している
ここが非常に重要です。
人間は、理性的に考えてから動いているように見えます。
しかし実際には、脳はまず「生き残るため」に反応します。
危険を感じれば、扁桃体が瞬時に反応し、
・逃げる
・戦う
・固まる
という防衛反応を起こします。
つまり、情動は“生き物としての反応”なのです。
一方、感情はその後、前頭前野などが働き、
「これは怒りだ」
「これは不安だ」
「悔しい」
と整理・解釈していきます。
つまり、
情動=反射
感情=解釈
なのです。
なぜ、後悔するのか?
「あんな言い方しなければよかった」
そう後悔するのは、あとから理性(前頭前野)が戻るからです。
つまり、
情動が強すぎると、
前頭前野の働きが弱くなります。
すると、
・冷静な判断
・客観視
・相手への配慮
・未来予測
などが難しくなります。
だから、
怒りや不安が強い時ほど、
人は短絡的になります。
視野も狭くなります。
スポーツでいうなら、
・焦って突っ込む
・周りが見えなくなる
・ミスを引きずる
・空回りする
という状態です。
これは、「メンタルが弱い」のではありません。
“情動に飲み込まれている状態”なのです。
大切なのは「感情を消すこと」ではない
ここを誤解してはいけません。
怒りも、
不安も、
恐怖も、
緊張も、
本来は人間に必要な機能です。
問題は、情動が悪いことではありません。
問題は、「情動に支配されること」なのです。
パフォーマンスが高い人は、感情がない人ではありません。
むしろ逆です。
しっかり情動を感じています。
しかし、そこに飲み込まれない。
「今、自分は焦っているな」
「怒っているな」
「緊張しているな」
と、一歩引いて観察できるのです。
これが、マインドフルネスの本質であり、
fine理論でいう“fine状態”に近い状態です。
人間関係も組織も、実は情動で崩れる
会社でも、スポーツでも、家庭でも、
問題の多くは「感情論」だと言われます。
しかし実際には、整理されていない情動
が暴走しているケースがほとんどです。
・認められなかった悔しさ
・否定された恐怖
・見捨てられる不安
・バカにされた怒り
これらが無意識に反応し、その後に「正論」が作られていくのです。
つまり、人は論理で争っているようで、実は情動で戦っている。
だからこそ、本当に必要なのは、
「感情を抑えろ」ではなく、
「まず、自分の情動に気づけ」なのです。
最後に
人間は、思っている以上に“生き物”です。
理性だけでは動いていません。
身体が反応し、
情動が動き、
その後に感情が生まれ、
思考と行動が決まっていく。
つまり、
人生やパフォーマンスを整えるとは、
「感情をなくすこと」ではなく、
“情動と上手につき合うこと”
なのかもしれません。
そして、
自分の情動を観察できる人ほど、
本来の力を発揮できるのです。
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