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「試合はやってみないとわからない」は本当か?~高校総体、最後の夏に伝えたいこと~

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「試合はやってみないとわからない」は本当か?~高校総体、最後の夏に伝えたいこと~

「試合はやってみないとわからない」は本当か?~高校総体、最後の夏に伝えたいこと~

2026/05/31

「試合はやってみないとわからない」は本当か?

~高校総体、最後の夏に伝えたいこと~

高校総体。

高校3年生にとっては、多くの場合、競技人生の一区切りとなる特別な大会です。

この時期になると、指導者や顧問の先生は選手たちにこう声を掛けます。

「最後まで諦めるな」

「試合はやってみないとわからない」

もちろん、その言葉には選手への愛情があります。

最後の最後まで全力を尽くしてほしい。

可能性を信じてほしい。

そんな願いが込められています。

しかし私は、マインドコーチとして少し違う視点も持っています。

それは、

「試合はやってみないとわからない」のではなく、試合は始まる前にかなりの部分が決まっている

ということです。

少し冷たく・厳しい言葉に聞こえるかもしれません。

しかし、これは選手を否定する話ではありません。

むしろ、努力の価値を最大限に認める考え方です。

 

勝負を決めるのは才能ではなく準備である

試合当日。

試合は、体育館やグラウンドで戦っているように見えますが、

本当の勝負はもっと前から始まっています。

・毎日の練習。

・生活習慣。

・食事。

・睡眠。

・仲間との関係性。

・目標設定。

・セルフイメージ。

そして、

「自分はできる」

という自己効力感。

これらすべてが試合当日のパフォーマンスに影響しています。

つまり試合とは、

当日の出来事ではなく、

これまでの準備の総決算なのです。

 

脳は本番で突然能力を発揮できない

脳機能学では、

人間の行動の多くが自動化されていることが分かっています。

試合中、

選手は一瞬で判断しなければなりません。

考えてから動いていては遅いのです。

そこで働くのが、

小脳や大脳基底核に蓄積された運動プログラムです。

反復練習によって作られた神経回路が、

無意識レベルで身体を動かしています。

つまり、

本番で出るプレーは、

本番で生まれるのではありません。

練習で作られた神経回路の再生なのです。

 

プレッシャーの中で見えるのは「本当の実力」

高校総体は特別な大会です。

負けたら終わり。

だからこそ強い緊張が生まれます。

脳科学的には、

プレッシャーが高まると扁桃体が活性化し、

不安や恐怖を感じやすくなります。

すると前頭前野の働きが低下し、

判断力や集中力が落ちることがあります。

しかし、十分な準備をしてきた選手は違います。

なぜなら、脳は過去の成功体験を根拠に安心感を生み出すからです。

・「ここまでやった」

・「これだけ準備した」

という記憶が、扁桃体の暴走を抑えます。

つまり、

自信とは才能ではなく、

準備の記憶なのです。

 

「やってみないとわからない」が通用する条件

もちろんスポーツには番狂わせがあります。

絶対に勝つチームなど存在しません。

だから「やってみないとわからない」という言葉が完全に間違いというわけではありません。

しかし、その言葉が意味を持つのは、

やるべき準備をすべて終えた者だけです。

準備不足のまま、

・「何とかなる」

・「奇跡が起きる」

と期待するのは願望です。

一方、準備を積み重ねた選手が言う

「やってみないとわからない」

には重みがあります。

そこには、結果を受け入れる覚悟があります。

 

高校3年生へ

高校総体を迎える皆さんに伝えたいことがあります。

勝つか負けるかは、まだ決まっていません。

しかし、

皆さんがこれまで積み重ねてきた努力は、

確実に脳の中に刻まれています。

・練習した時間。

・流した汗。

・悔し涙。

・仲間との時間。

そのすべてが神経回路として蓄積されています。

 

だから試合当日は、

結果を恐れる必要はありません。

今さら特別なことをする必要もありません。

 

ただ、これまで作り上げてきた自分を信じることです。

試合は当日決まるのではありません。

試合は毎日の準備の中で作られています。

 

そして、その準備を最後までやり切った人だけが、

本当の意味で

「試合はやってみないとわからない」という資格を持つのだと思います。

 

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