シリーズ:学校で教えてくれない「大人力10選」・・・(6)レジリエンス力
2023/08/05
シリーズ:学校で教えてくれない「大人力10選」・・・(6)レジリエンス力
レジリエンス力とは、心理学領域で広く認識されている概念で、個人が困難な状況やストレスから回復し、元の状態に戻り、またはより強くなる能力のことです。
簡単にいえば「復活する力」や「再起する力」のことです。
今の状況を乗り越え、生活の質を改善し、マインドを維持させることが出来る力であるとお考えください。
人として生きていく上で必要不可欠な力といえます。
レジリエンス力は、固定された能力ではなく、生涯育成・強化できる力です。
後天的に育むことが可能な力です。
レジリエンス力を持つ人と持たない人では、ストレスや困難な状況に対する反応と対処の仕方が違います。
では解説していきます。
レジリエンス力がある人は、困難な状況を遭遇した際にも、その状況から学び、成長し、そして適応する能力を育んでいきます。
これはストレスからの影響を軽減させ、回復力を向上させる力になります。
さらに、レジリエンス力がある人は、挫折や失敗を経験したことも、それを個人的な欠点とは捉えず、成長と学習の機会と認識することができます。言わば、自己肯定力につながる力でもあります。また、より効果的なコーピング戦略(注1)を用いて、自己調節のスキルを高めることも可能とします。
一方、レジリエンス力がない人は、ストレスや困難な状況に直面した際に、その状況から回復するのに時間がかかるか、または完全に回復できないことがあります。結果として心身の健康に大きな影響をもたらすこともあります。
また、レジリエンス力が低い人は、困難な状況に屈した際に、自己効力感が低下し、適切な対処策を見つけることが叶わないことがあります。結果、自らの自尊心や自己評価に悪影響を及ぼし、その後も引きずりながら生活することにもなりかねません。良い例えではありませんが、これが「トラウマ」になります。
それぞれの人のレジリエンス力は、遺伝、環境、過去の育ちなどの多くの要素によって形成されます。 しかし、後天的にその力を高めることが可能であることも理解しておくことが重要です。このレジリエンス力はトレーニングによって高められるということです。
(注1)「コーピング戦略」とは、日本語にすると「対処法」「戦略的対処」「対処戦略」
「ストレス対処戦略」などと言い換えることができます。
では、もう少し「コーピング戦略」を深掘りしていきます。
「コーピング戦略」とは、ストレスや困難な状況に対処するための手段やスキルのことです。そして、これには2つの対処型があります。それは「問題対処型」と「感情対処型」です。
「問題対処型コーピング」は、ストレスの源自体に対処しようとするアプローチです。
(1)情報収集:ストレスの原因について調べて理解することで、問題を解決するための対策を立てる方法。
(2)目標設定: ストレスの源を解決または緩和するための具体的な目標を設定する方法。
(3)計画的な問題解決: 問題解決のためのステップバイステップの行動計画を作成する方法。
(4)援助の求め: 専門家や信頼できる人々からの助けを求める方法。
「感情対処型コーピング」は、ストレス反応に対処しようとするアプローチです。
(1)リラクセーション:深呼吸、瞑想、ヨガなど、ストレスを軽減するためのリラクセーションテクニックを使う方法。
(2)正しい自己表現: 信頼できる人に対して自分の感情を話すことで、感情を正しく表現する方法。
(3)自己肯定的思考:アファメーション(自己肯定的な言葉)を用いたり、良い面を見つけたり焦点を当てたりする方法。
(4)正しいなセルフケア: 健康的な食事、適切な睡眠、適度な運動など、基本的なセルフケアを維持する方法。
これらのコーピング戦略は、困難な状況やストレスから感情に対処するための有効な手段です。対処の仕方はさまざまです。自分に相応しい方法を自ら構築するか、もしくは多くの手法を参考にしながら、自分なりの対処方法を持っておくことがポイントです。
次に、「レジリエンス力」を強化するための方法を紹介します。
- (1)仲間との関係構築:自分の話を聞いてくれる人、そして受け入れてくれるような信頼できる人との関係を維持することは、レジリエンスを高める上で限りなく重要なことです。もし、身の回りにいない方はプロにお願いするのも自然な流れであり、当たり前の行動です。
- (2)目標設定:短期および長期の目標を設定し、「今、するべきこと」を前向きに取り組むことが自己効力感を高め、困難な状況に対処する信じる力を養ってくれます。
- (3)コーピング戦略の採用:ストレスに対処するための効果的な戦略を見つけ、それをトレーニングすることは大切なことです。これにはリラクゼーションテクニック、マインドフルネス、そして自分の感情を正しくに表現するアンガーマネジメント力の育成も含まれます。
- (4)自己認識力と自己開発力:自己認識とは、個人が自分の強さと弱さを見つめ、自分自身を客観的に受け入れる力のことです。自己開発とは、個人は困難を乗り越えるための新たな戦略を開発する力のことです。
これらのアプローチは一部にしか過ぎません。レジリエンスの開発と強化には多くの要素が絡み合っています。
よって対処方法も一つではなく、多角的なアプローチ方法を持ち合わせて追うことがより効果的であるともといえます。
レジリエンス力は進化し、成長するものです。それを養うためには持続的な行動と自己啓発的な思考が重要だということです。
次に「レジリエンス力」をさらにアップさせるために心がけることについて説明します。
- ①マインドセットの重要性
- ②目標設定と問題解決スキルの強化
- ③健康的なライフスタイルの追求
- ④強固な社会のネットワークの構築
- ⑤自己認識と自己有効感の強化
- ⑥適応的なコーピング戦略の獲得
- ①マインドセットの重要性: マインドセットは、困難を乗り越えるための重要なセルフ要素です。自己対話(セルフトーク)思考を育むことを習慣化かし、挑戦や困難に思いを馳せたときにこそセルフイメージを大きく持てる状態が良い状態です。その状態こそが自分のマインドセット(自分軸=自分の在り方)になります。
自分の「fine状態」を知ることが重要になってきます。
- ②目標設定と問題解決スキルの強化: 明確な目標を設定し、それに向かって取り組むことはレジリエンス力を強化するためには重要なことです。また、問題解決スキルを強化することにより、困難な状況を効果的に処理する能力を向上させることができます。
- ③健康的なライフスタイルの追求:正しいな睡眠、バランスのとれた食事、定期的な運動は、身体の健康と精神的な健康の両方を維持することが重要です。またマインドフルネスを日常に取り込むことは、睡眠・食事・運動と同等かつ重要なことです。
- ④社会的ネットワークの構築: サポートをしてくれる人との関係性構築は、困難な時期を乗り越えるための力の大きな要素になります。信頼できる人々とのつながりを作り、そして思いや感情を共有し、助けを求めることは、レジリエンス力を高めるのには必要なことです。
- ⑤自己認識と自己有効感の強化: 自己認識(評価)を向上させることで、より自己有効感が高まってきます。これは、困難な状況に適応するための能力強化には重要なことです。
- ⑥適応的なコーピング戦略の獲得: ストレスや困難に対処するための健康的な戦略を学び、習慣化することはレジリエンス力を高めるのが重要なポイントです。これには、リラクゼーションテクニック、マインドフルネス、タイムマネージメントなども含まれます。
これらの心構えは、レジリエンス力を向上させ、人生の困難に対処する能力を強化するための重要なステップとしてお考えください。
そのために専門的なプロコーチのサポートを受けることも一つの方法です。
堂々巡りをしている人は、一度プロコーチとのセッションをお勧めします。今までにない思考体験が味わえるはずです。そのこともレジリエンス力を強化するための有効な手段であると認識しておいてください。
<中高生バージョン>
「レジリエンス力」とは、困ったときやつらいときでも、元気を取り戻す力のことだとお考えください。
簡単に言えば、「自分で立ち上がる力」「自分でやれる力」のことです。
例えば、皆さんが遊んでいるときに転んでも、痛みをこらえて再び立ち上がり、そして走り始める力のことです。
「レジリエンス力」のない人は、転んだ理由をアピールすることだけに、全力を傾けている人がいます。
無駄な時間だし、無駄な思考エネルギーであることに気づいていません。
あなたは、転んだ時に何事もなかったかのようにすぐ立ち上がり、いまするべきことができていますか?
では、「レジリエンス力」がある人とない人の違いについて見ていきましょう。
レジリエンス力がある人は、雨の日にポンチョ(雨ガッパ)を着ている人のようなものです。
ポンチョを着ている人は、雨に濡れずにすみます。問題や困難があったときも、ポンチョ(レジリエンス力)があるおかげで元気に普段通りに活動できます。
それに対して、レジリエンス力がない人は、雨の日に雨具がない人のようなものです。
レジリエンス力がない人は、問題や困難があったときは、作業を中止し、雨宿りをしながら立ち尽くしかないのです。
ここで重要なことは、レジリエンス力は誰だからでも鍛えることができるということです。
もしレジリエンス力が感じられなかったら、少しずつでもいいので、その力を鍛えていきましょう。
自分の力で雨具を準備するのです。その自分らしい雨具があれば、大きな雨が降ってきても、元気に普段通りの活動することができるようになります。
それでは、この「レジリエンス力」をどうやって強化していくのかを具体的な方法を見ていきましょう。
(1)友達との良い関係を作る:信頼できる仲間を作って、必要なときや楽しいときに互いに共有することはとても大切なことです。仲間と一緒にいると、笑顔が増えて元気になりますよね。しかし、無理して「群れの中に入れ」という訳ではありませんので、お間違えのないように、この「群れる=依存思考」については後日アップいたします。
(2)目標を立てる:小さなことでもいいので、目標を立てて、とにかくするべきことを明確化し、そして取り組むというプロセスが大切です。
目標に向かって取り組むことを当たり前にすることが、困難を乗り越える力なのです。
(3)リラックスする方法を見つける:落ち着いて考え、行動するためには、リラックス状態を維持すること大切です。深呼吸をしたり、好きな音楽を聞いたり、散歩したり、絵を描いたりしたりすることで、心が落ち着き始めます。一番手軽で簡単なのは、マインドフルネス瞑想です。これは、別のブログをご参照ください。
(4)自分を理解する:自分は、何が得意なのか、好きなのか、苦手なのかを理解することも大切です。理解することで自分の状態に気付けるようになります。「私はこんなことでイライラするんだ」「私はこんなこので、悩んだりするんだ」などです。自分を一歩下がってみることを「俯瞰」と言いますが、この「俯瞰する力」を手にするためには、自分を理解することが需要になってきます。
これらの方法を使って、「レジリエンス力」を少しずつ強くしていきましょう。
覚えておいてほしいのは、誰でも最初から完璧にできるわけではないということです。 大切なものは、一歩一歩前進していることです。そして、困難だと感じたときにこそ、するべきことを丁寧に推し進めて下さい。立ち止まらず、自分を信じ前に進みましょう。
きっと皆さんはレジリエンス力が高く、強い子どもに成長するでしょう。
レジリエンス力をパワーアップさせるために心がけることについて説明します。
(1)笑顔を忘れない: 生きていると必ず難しいことや困ったことが訪れます。しかし、そんな時でも笑顔を忘れないことが大切です。笑顔は、自分自身を元気にするだけでなく、周りの人も元気にする力があります。
(2)目標を立てる: 自分の好きなことやこれからやってみたいことを決めて、それを目標に設定してみましょう。その目標を達成させようと取り組むことが、結果、困難に立って向かう力が育まれていくのです。
(3)体を動かす: 遊びやスポーツで体を動かすことは、体だけでなく心も元気にするのに役立ちます。好きなスポーツをする、公園で仲間と遊ぶ、散歩するなどの体を動かす活動を楽しむことは人間として、食事・睡眠・休養と同じぐらい大事なことです。
(4)仲間と話す: 仲間と話すことで、喜びを分かち合ったり、悩みを共有したり、楽しい時間を過ごしたりすることができます。当然家族との会話でも結構です。信頼できる仲間との関係は、困難を乗り越える力育んでくれます。
(5)自分のことを知る:自分は何が好きで、得意で、苦手なのかを理解することが大切です。自分を理解することで、どうすれば困難を乗り越えられるかが自分自身で見えてきます。人に助けを求めることも一つの方法ですが、自分で自分のことをサポートする力を養うことはもっと重要です。
(6)リラックスする: 落ち着いて考えるためには、リラックスすることも大切です。深呼吸をしたり、好きな音楽を聞いたり、散歩したり、絵を描いたりすることで、心が落ち着いてきます。
以上のことを意識することで、少しずつでもレジリエンス力は強くなってきます。
しかし、すぐすぐ身に付く力ではありません。この「レジリエンス力」は習慣による産物です。知らず知らずに身についていくものです。よって、日々の意識づけが大事になってきます。
もちろん身につければ、これからの生活に大きな変化が見られ、自分らしく生きていることが実感できるようになるでしょう。
「レジリエンス力」を習得したい方は、下記まで連絡ください。
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