人材育成シリーズ(コーチ・管理職)・・・”集中力をアップさせる脳活用術”を知る
2022/10/18
目次
はじめに
集中が続かない、すぐに飽きてしまう、やろうと思っていたのにやる気が起きない、やり始めたけどすぐ嫌気が差してやめてしまう、気が散って集中できていないなどなど、誰もが思い悩むこと問題だと思います。
今回、誰もが手に入れたいであろう「集中力」について紐解いていきたいと思います。
脳の機能をうまく活用できれば、必ず集中力がアップしてくるはずです。
集中力の捉え方
皆さんに質問です。
「集中力の正体、それは一体何なのでしょうか?」
正直、「集中力の正体?」と問われてもなかなか難しいかと思います。
一般的に、集中力とは時間忘れて一つのものに没頭しているさま、であります。
では、なぜ、誰しもが身につけているはずの集中力が人によって違いがあるのかということになります。もちろん、脳には集中力を生み出す仕組みが備わっています。
今回、この集中力の仕組みを理解することで、今後より高い集中力を発揮できるかと思います。
では、はじめていきます。
当たり前ですが、集中力には秘密があり、その秘密は「感情」になります。
集中力が発揮できるかどうかは、その感情が大きく関わっているのです。
例えば自分の好きな趣味など、これは面白いぞと思ったことは何時間も飽きずにやり続けることができます。「夢中になって時間が過ぎているのに気づかなかった」などの経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。ここからわかることは、集中力がないという人はいないということです。ということは、ただ単に集中できる条件(環境)が整えられていないから、結果集中できていないということになるのです。
結論、皆さんは、自分が持っている集中力を発揮するための条件(環境)を整備していくだけなのです。それだけであなたの集中力は格段に高まってくるのです。
では、逆に集中力が働かないケースを見ていきましょう。
集中が続かない理由の一つは、気持ちのどこかで”やるのは嫌だ”と感じているからです。もう一つが、こんなことやって何になるのか”意味がわからない”といった気持ち(思考)が働いているからです。
人間の脳は嫌だ、面白くない、辛いと思っていることには集中力が発揮できないようになっています。面白くないと思った瞬間に脳は、考えたり、覚えたりすることをやめてしまいます。普段から膨大な量の情報をin putしている脳ですから、不要な情報を排除していくことを怠るとパンクしてしまうのを知っています。不必要な情報の排除は、脳にとって自己(命)を守るための自己防衛機能なのです。とはいえ、嫌だと思っていることを排除し、考えたり、理解したり、覚えたりをやめようとする仕組みは意識下で行なわれている作業なので、意識的に認識することは不可能です。ですので、自分の集中力が切れていると気付いたとしても、それは後の祭りなのです。そして残念なことに、結果としての現象だけを捉え「あ〜、私は集中力がないな〜」と認識してしまう習慣が身に付いている人は、負のスパイラルから抜け出せなくなってしまいます。
集中力とは、自ら今からすることをイメージし、そこに向かってやるぞという意志を持って、するべきことに専念している力のことです。
しかし、損得勘定や成果主義が尊重されるこの資本主義の世の中において、嫌なことにも着手しなければ成果を上げることができないのも現実です。
集中力が生まれる仕組みから考えると残念ではありますが、いまの世の中は育成しにくい能力(集中力)だと考えられます。よって、集中力の無さに悩むのは、いわば当たり前の事だということになるのです。あなたのせいではなかったのです。
まずは、集中力を育めない環境下(社会)にあることを知ることが集中力を育む第一歩とお考えください。
集中力が落ちる思考の癖
①「否定語」消す
先ほども説明しましたが、人間の脳は、嫌だ、面白くない、などのストレスを抱くことにより集中力が発揮できないようにできています。特に”否定語”が含まれる言葉を使用することで脳の防御機能が働き始め、集中力が低下してしまいます。
日常会話を思い出してみてください。多くの人が当たり前のように否定語を使用しています。職場の中でも、「調子どうですか。いやー大変ですよ」、「その後いかがですか。あまり調子良くないですね」と日常会話の中に当たり前のように否定語を組み込んでいます。当然、無意識なので悪気はありません。他にも「それは無理だ」「もう疲れた」「でも」「だって」という言葉を使用していませんか。もし、口癖のように否定語を使用しているのであれば、即座にやめてください。日本人は謙遜・遠慮を鑑みた言い回しを使用しますので、使い分けが難しいかとは思いますが・・・。
脳は、否定語が耳から入るとこの情報は必要ないと認識し、集中力を途切れさせてしまいます。そして、自分が発した場合も、誰かが口にした言葉を聞いた場合も同じです。残念なのは、人の発する言葉は聞かないという形で対処できますが、自分の口から出た言葉は必ず耳がキャッチするので防ぎようがないということです。悪いもの食べた時に体に悪影響を与えますが、それと同じで悪いものを聞くと脳に悪影響を与えているのです。そして、体に悪いものは大抵排出できますが、脳内に取り入れたものは排出することはできないので、一生付き合って行くことになるのです。
何かに取り組もうとしている時に「めんどくさそうだなぁ」「これは大変そうだなぁ」「あー疲れたなー、もう嫌だ」「もう無理これ以上はできない」と思った途端、それがたちまちトリガーとなり脳の自己報酬神経群が働きを止めてしまい、集中が途切れさせてしまうのです。
これは、スポーツの世界でよく見られる“流れが変わった”というケースです。
例えば、野球でのひと場面です。イメージ通りのピッチングを続けている投手が突然調子を崩し始めるといったケースがあります。打者10人に対して連続三振で抑え、良いピッチングをしていたのですが、次のバッターにサードゴロを打たれて「よし、アウトだ」と思った瞬間、サードがミスをしてしまい出塁されてしまったというシーンです。そしてよくあるのが、ここから流れが一転して打たれ始めてしまうケースです。仲間のちょっとしたミスが、今までのピッチングを台無しにしてしまったケースです。このような場面を皆さんも見聞きしたことはあるかと思います。見ている側は、「さっきまであんなにいいピッチングしていたのになんで急に打たれ始めるのだろう」と不思議に思ってしまいます。監督も「さっきまで良かったのだから、さっきまでの調子で投げるように」とか「さっきまでのことを思い出して投げなさい」、もしくは「切り替えて」などの言葉掛けをするしかありません。
実は、これもそのピッチャーの脳の悪い癖のせいなのです。サードがミスした時に「あいつ〜、ちゃんとやれよ」とか「あいつのミスのせいで流れが変わってしまったではないか」「何をやっているんだ、足を引っ張るなよ」と否定語をついつい使用してしまっているのです。三振を続けているときには否定語を一切使用していなかっと思います。逆に「今日はいいぞ」「これならいける」と肯定的な言葉を使用していたはずです。
こうした場面で解説者がサードの選手が悪いかのような物言いをされますが、実はピッチャーが勝手に変わっただけなのです。ピッチャーが否定語を含む気持ち(思考)になったことで、自分を守ろうとする本能が過剰に働き出したということによる結果現象なのです。原因は、当人の脳内(思考)習慣にあったのです。
② 損得勘定しない
人間は、損得で考えると集中力は生まれにくくなります。
これをした方が得になるからやる、これをやっても得にはならない、などという判断基準で生活していると、メリットがないと判断してしまう作業についてはついつい手を抜きはじめてしまいます。とりあえず損しない程度にやっておけばいいか、という感じです。
このような考え方が通常化し始めると、主体的に取り組むことが不可能になってきますし、そもそも自分からの行動発源がなくなってしまいます。それは、損得で考えることで“やる気”や“集中力”の源である自己報酬神経群の働きを弱まっていくからです。
当然、日常生きていく中で、得か損かを判断せざるを得ないこともあるかと思います。しかし“集中力”だけを考えた場合、やるからには素直に損得抜きに全力投球する意志が必要になってきます。そこに損得勘定を持ち込んでしまうことは集中力に限らず脳全体の機能が低下しはじめるのです。特に効率重視で物事を考えるタイプの人は、注意が必要です。
他にも、結果を出すためにこうした方がいい、あれを取り入れたら上達する、といった情報に安易に手を出す人は、結果、脳の力をダウンさせてしまっている可能性があります。こうした方法は一見効率的で良いふうに思えるのですが、高い集中力を発揮するには百害あって一利なしなのです。
やはり、損だとか得だとかを考えるのではく、やり遂げるためには苦手とか嫌いとかを感じていることにでも着手する習慣を身につけていくことが、いざという時にいつでも高い集中力を発揮できるようになるのです。(本来は、「作業(仕事)に情動を加味しない」がベストです。)
生きていく上で、これから先も嫌なことはあることでしょう。しかしそういう時こそ自分を高める経験ができると思って、何事もなかったかのように取り組んでください。そして本当に嫌なことがあれば逃げればいいのです。転職だってすればいいんです。ただ自分がやると決めたのであれば、損得勘定を封印して、ただ目の前の作業に全力で取り組むその姿勢が集中力を育むのです。
是非、今日からそのマインドを持って生活して下さい。
集中力を上げるためのスキル
① 姿勢を正す
集中力を上げるスキルの一つ目が姿勢を正すことです。
当たり前で普通のことを言っていると思われるかもしれませんが、集中力を維持するためには大事なことなのです。この姿勢の良し悪しが脳に影響を与え、結果パフォーマンスにも大きく関わってくることが分かってきています。
しかし、姿勢と集中力にどんな関係があるのかと首をかしげる方もいるかもしれません。まず、正しい姿勢でいると体が疲れないために集中力を発揮しやすくなるし、加えて維持することができやすくなるのです。
実は、姿勢が悪いと体の軸が傾くことにより、当然目線も傾き、左右の目から入ってくる脳への情報にずれが生じているのです。外からの情報を正確にin putしていないために物事を正確に処理・判断することができなくなっているのです。結果、脳全体の働きが悪くなり、集中力や思考力、そして理解力も生まれにくくなってしまうということです。当然、肉体的にも疲れやすくなり、運動能力にも悪影響を及ぼしてきます。
超一流のアスリートが姿勢を気にしているのはこういう理由があるのです。
立ち姿も歩く姿も正しくなければ、高いパフォーマンスを出す事は出来ないのです。
現在、常に高いパフォーマンスを発揮しているプロ野球選手の大谷翔平選手は、姿勢の美しさに加えて、目の左右差がなく視認力もトップアスリートの中でも屈指のレベルだそうです。
そして、正しい姿勢を作るポイントは、「ゼロポジションを作る」です。
「骨盤を起こす(立腰)」
「背筋を伸ばす」
「大胸筋を開く」
「左右の肩甲骨の高さを地面と平行にする」
「顎を引く」
「目線を水平にする」
です。
② 作業環境を整える
次は、作業環境を整えるについて解説していきます。
日常生活において瞬時に集中力を発揮しなければならない場面がいくつかあります。
仕事が次々と重なり、スムーズに終わらせられずに次の仕事になかなか取り掛かることができない、もしくは試験が迫っていて勉強しなくてはならないのに気持ちが乗らなくて他のことをしてしまう。私もですが、そうした経験は多くの方にあるのではないでしょうか。
このように、集中力が途切れ、するべきことがおろそかなになる理由の一つが作業環境の良し悪しが関係していることがあります。例えばデスクワーク(仕事・勉強)のケースです。すぐ手に取れる場所に仕事や勉強と関係ないもの、雑誌やスマホがある、あるいは別な仕事や勉強に関するものがデスクの上にあるなど、今やるべきことと関係ないものが目に入る場所に置かれてないでしょうか。
脳は、新しい情報に瞬時に反応する癖があります。関係ないもの(余計な情報)が周りにあると、意識がそちらに向いてしまい、次やるべきことに集中させないという現象が起こっているのです。そのような時は脳をリセットするつもりで、作業スペース(デスク周り)をすっきりさせるとよいでしょう。
これらの当たり前のことが大きく集中力に関係しているのです。ここで今一度、自分の姿勢と作業環境を見直してほしいと思います。
これも野球でよく聞く「やじ」で例えてみます。多くの野球人は「やじ」の効果を信じていらっしゃいます。「やじ」は相手ピッチャーに良いピッチングをさせないという行為です。これは相手ピッチャーに余計な情報を耳から入れ、動揺させようとする行為だと考えられています。
あなたもfine lab.にて「やじ」に強くなる”思考トレーニン”を身につけてみませんか。
③ 「終わり」を消す
「終わり」を消す?何のことかと思われるでしょうが、脳は、“もうこれで終わり”だとゴールを意識した瞬間、気持ちの緩みを招き、集中力を低下させてしまうことがわかっています。
仕事でも、勉強やスポーツにおいて「ここまで来たらもう大丈夫」「あと少しで達成できる、もうすぐ終わりだ」と思った瞬間に作業ペースが落ち、作業の質が低下させてしまいます。なぜなら終わりやゴールを意識することで脳内の自己報酬神経群が働きを止めてしまうからです。もう終わりだと思うことで、もうこれ以上は頑張らなくてもいいよと脳が判断してしまうのです。これが「油断」です。また、スポーツ時に「チャンス」と思った瞬間、同様に油断が生まれることも覚えておいてください。
ですから、最後まで気を緩めない思考習慣作りが大切なのです。しかし、そうは言っても終わりが見えてきた時に“終わりだ”とから、“あと少しだ”と意識しないようにするのはなかなか難しいことです。(一喜一憂しない思考習慣づくりを!)
結論、「終わり」という言葉を自分の辞書から消すことをお勧めします。しかし、周りから「終わり」という言葉は聞こえてきます。その時のためのトレーニングが必要なのです。「終わり」の文字が飛び込んできても「無視(スルー)」するのです。「そんなの関係ない」「右から、左へ受け流す」です。もしくは、「“終わり”と“続き”をイコールにする」のです。一般には“切り替えるように”と言いますが、これは段差が生じてきて、リズムが狂ってきます。出来れば、フラットな状態が望ましいです。
人間は、どうしても休もう、やめようと常に楽を求めて活動しています。そこに「終わり」という文字が飛び込んできたら、どうしても脳は浮き足立ちます。そして「終わりを終わり」だと認識させているのは「記憶」です。その記憶の仕方を書き換えれば良いだけです。
世界中の人が「終わりを終わり」と認識しています。だからこそ、そこに勝機が見出せるのです。
習慣が結果を導き出します。結果が出た後に反省しても遅いです。パフォーマンスを発揮するための思考トレーニングを怠らないようお願いします。
必ず、結果が変わってきます。当然、過程も変わってきているはずです。
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