リーダー研修(企業研修) その⑩ 「セルフプロデュース」
2022/09/27
リーダー研修(企業研修) その⑩ 「セルフプロデュース」
「セルフイメージ」を実現させるための「セルフプロデュース」について解説していきます。
繰り返しになりますが、「セルフイメージ」は過去の自分が今の自分を見てのイメージではなく、「未来のあるべき自分が今をイメージしたもの」になります。その未来の自分を現実化させるためにどう自分に関わるかという考え方となります。
この考え方は、脳機能を利用したものになります。
脳は時間や場所そして主語、さらに現実か非現実かを区別するのが苦手です。ある意味、素直な臓器ともいえます。そして、不確かな情報でさえも1度取り込んでしまうと、その情報からは逃れられないという厄介な臓器でもあります。以前、オレオレ詐欺に被害に遭っている方に対して、警察が何度も「騙されていますよ」と説得を図ったにも関わらず「振り込まなければ落ち着かないから振り込ませてくれ」と嘆願した屁会社がいたという例もあります。本当に、変な話です。脳の働きは「理屈」ではないのです。
次に「錯視」です。そんなはずではないと分かっていても、そう見えてしまうとそこから逃げることができないのが錯視です。今では、この錯視も一般的になっており、サッカーのコートサイドにある看板であったり、スピードを減速させるため道路に立体的に見えるように二次元の標識を描いたものも同様に人間の錯覚機能を利用したものです。
私たち人間は、意識の登らない脳機能が「in put」した情報を無意識の内に処理しているのです。それが判断・決断、そして行動として「out put」されているのです。
当然、その処理のし方は人によって様々ですし、なんと言っても個人レベルでもその都度、処理や答えの導き出し方が違ってきます。これも、全て無意識での処理になります。
「セルフイメージ」の解釈についてですが、一般的に、過去の自分が「今の自分とは?」を良いイメージに無理やり仕立て上げようとしている節が見受けられます。これでは、いつまで経っても「努力」「頑張れ」という言葉が付きまとってきます。それは、「過去の自分ではできなかった、今後できるようになるためにはさらなる行動が不可欠である」というストーリーを先に作り上げているからです。残念ではありますが、この思考パターンを日本人は好きですし、慣れ親しんでもいます。そして、人間は「正しい<好き<慣れ」のプログラムでパフォーマンスを発揮するので、ある意味、自然です。しかし、これではワクワク感より悲壮感の方が上回ってきます。脳内ではドーパミンよりノルアドレナリンが上回っているということになります。ノルアドレナリンは「闘争と逃走」ホルモンといわれております。
自己の行動時に常に「闘争と逃走」の選択に迫られ、その度に「頑張れ〜」「踏ん張れ〜」と鼓舞しなければなりません。ある意味、緊張感や刺激を持たせる意味では良い手法かもしれませんが、怠け者を好む人間にとっては、やはり過度のストレスを感じてしまう人も出てくる恐れがあります。その最終系が「アウトバーン」です。
脳機能を理解した上での「セルフイメージの構築の仕方」になりますが、前文に記載した過去思考の自分ではなく、未来思考の自分が今を活動するといったイメージが必至です。
未来の自分(こうなっている自分)が、「今をこんなふうに捉え、判断・決断、そして行動する」と考えて行動を促すのです。仮想した未来の自分が今の自分をコントロールする、これが「セルフコントロール」なのです。
日本人は「反省」や「フィードバック」が大好きです。常に過去思考で物事を捉え、今を臆病に生活しています。これが「ネガティブ」です。これでは、時間だけがただただ過ぎていくだけです。やはり未来思考の自分が、未来をイメージしながら常に今の自分に関わっていくのです。未来の課題や問題点もイメージ(予想)しながら活動していくのです。これを「フィードフロント」といいます。「フィードバック」とは真逆の考え方です。
この「フィードフロント」こそが「セルフプロデュース」のベースとなります。しかし、そのためにも「セルフイメージ」の描き方がより重要になってくるのです。
過去思考の自分が「セルフイメージ」を描くのか、それとも未来思考の自分が「セルフイメージ」を描くのかで、未来が大きく変わってきます。
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