「具体と抽象」思考を活かしたコーチング
2025/08/02
「具体と抽象」思考を活かしたコーチング
〜パフォーマンス向上指導法〜
Podcastを聴きながらご覧ください。
(1) なぜ「具体と抽象」の思考が必要なのか?
◆ 理論のポイント
現代スポーツでは、選手の身体能力や技術だけでなく、「考える力(思考力)」の重要性が高まっています。
特に「具体的思考(How)」と「抽象的思考(Why)」をバランスよく使いこなすことが、パフォーマンスの質や安定性、適応力に直結します。
◆ 現場での使い方
- 【例1】練習の最初:「今日は〇〇をする理由は◯◯だからだ」と抽象→具体の流れで伝える
- 【例2】試合前の指導:大きな目標(勝つ、守り切る)→各自が“今”やるべきことへと落とし込む
◆ 注意点
- 抽象的すぎる話(例:「自信を持て」)だけでは選手は動けない
- 具体的すぎる指示(例:「足を10度ひねれ」)は考える余地を奪い、イップスや過緊張の原因になる
◆ コーチングのヒント
- コーチ自身が「なぜ?」と「どうする?」を常に行き来する思考回路を意識
- チームミーティングでは「Why→How→Do」の順で伝えると理解・行動が深まる
(2) 「抽象的思考」とは:選手の視野を広げる力
◆ 理論のポイント
抽象思考とは、物事の背景や目的、本質をつかむ力。複雑な状況を単純化し、応用力や判断力を高めます。
◆ 現場での使い方
- 【Whyで考える場面】
「なぜこのフォーメーションを使うのか?」
「このプレーがチーム全体にどう影響するのか?」
- 【指導の工夫】
練習前後に「この練習の狙いは何だと思う?」と問いかける
◆ 注意点
- 抽象化しすぎると、選手が「それで結局どうすれば?」と迷いやすい
- 話が理屈っぽくなると選手の集中力が途切れる可能性も
◆ コーチングのヒント
- 抽象的問い(なぜ?目的は?)を投げた後、選手の答えを具体に変換して返すと理解が深まる
- 選手の発言を要約して「つまりこういうことだね?」と本質を言語化してあげる
(3) 「具体的思考」とは:動ける選手を育てる力
◆ 理論のポイント
具体思考は「どうやるか?」を考える力。行動計画を立てたり、動作を調整したりするときに不可欠なのです。
◆ 現場での使い方
- 【Howで動く場面】
「〇〇の時、ボールをどこに出す?」
「次の1プレーで意識することは?」
- 【指導の工夫】
トレーニングメニューやポジション別の課題を“具体的に見せる”
◆ 注意点
- 細かく指導しすぎると、選手の「動きの流れ」が乱れる(イップスの危険性あり)
- 指導初期(初心者や新しい技術導入時)には具体指導が効果的だが、習熟度が上がるにつれて抽象イメージへの移行が必要
◆ コーチングのヒント
- 「まずはやってみよう」→「動きを映像で見て考える」→「なぜできた/できなかったか考える」のステップをつくる
- 経験者にはあえて「抽象的な感覚」で伝えてみる(例:「もっとリズムよく」「自然に」など)
(4) 「具体⇄抽象」の思考の往復が鍵
◆ 理論のポイント
「具体→抽象→具体」と思考を往復させることで、プレーの意味・背景を理解し、再現性のある行動へと変換できます。
◆ 実践例
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◆ コーチングのヒント
- 練習→振り返り→改善策というサイクルを言語化し、習慣化させる
- データや映像を活用して「事実(具体)」→「解釈(抽象)」→「行動(具体)」の流れを意識
以下に、コーチが選手を指導する際に「具体⇄抽象」の思考を活用した事例を、場面別にまとめてご紹介します。
それぞれの事例に「抽象(Why)→具体(How)」の往復があることで、選手の理解や行動がより深まり、再現性の高い指導につながります。
コーチのための「具体と抽象」指導事例集
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🧠 解説:なぜこの往復が大事なのか?
- 抽象だけでは「ふんわりしすぎて行動できない」
- 具体だけでは「やらされ感」が強くなり、自分の意志で動けない
- 抽象(Why)で目的や意味を伝え、具体(How)で行動に落とし込むことで、「納得感ある行動」になる
コーチング実践Tips
- 練習や試合の前後には「問いかけ」を使って抽象思考を引き出す
例:「今日の練習のねらい、どうだった?」「なんでそう判断した?」
- 指導中は、説明→実演→問いかけ→振り返りのサイクルを意識
例:「この動きの意味、どう思う?」「やってみてどう感じた?」
- 成長の過程では「抽象的な問い」を通して、選手自身が“自分の言葉”で語れるように支援する
(5) メンタルとチームづくりへの応用
◆ メンタル強化
- 目標設定は「抽象(夢)」→「具体(行動)」に変換すると達成しやすい
- 燃え尽きやイップスを防ぐには、思考の偏り(抽象ばかり/具体ばかり)に注意する
◆ チームづくり
- チームのビジョン(抽象)をみんなで共有し、日々の行動(具体)につなげる
- 試合中の意思疎通も、「抽象的な意図(展開を読む)」と「具体的な声かけ(右サイド空いてる)」の両方が大切
(6) 指導現場で活かすチャンクアップ・ダウン技術
◆ 用語解説
- チャンクアップ:話や考えを「大きくまとめる」→目的や背景、全体像を考える
- チャンクダウン:話や考えを「細かく分ける」→具体的な方法、行動に落とし込む
◆ コーチング場面での活用
- チーム目標→ポジション別の役割→個人の課題へとチャンクダウン
- 選手の発言に対して「それってどういう意味?」「もっと具体的に言うと?」と問いかけてあげる
(7) まとめ:選手の「考える力」が未来を切り拓く
「考えられる選手」=強い選手です。
技術を教えるだけでなく、「考える力」を育てるコーチングこそ、これからの指導の中心になります。
そのためには、コーチ自身が「具体と抽象の往復」を意識し、指導をデザインすることが必要です。
指導者へのメッセージ
- 「この練習の意味は?」と選手に問い続ける勇気を
- 「考え方」を教えることは、「自分で成長できる選手」を育てること
思考もトレーニングの一部である
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