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練習に参加したくなるチーム、そして練習について考える

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練習に参加したくなるチーム、そして練習について考える

練習に参加したくなるチーム、そして練習について考える

2025/07/21

練習に参加したくなるチーム、そして練習について考える

 

〜選手が“自ら足を運びたくなる”チーム文化と練習環境をつくる〜

 

Podcastを聴きながらご覧ください。

https://youtu.be/LRu5Ho__Kko

 

はじめに

「今日はなんだか練習が楽しみだな」「あの雰囲気が好きだから、自然とグラウンドに向かってしまう」――
そんな気持ちを抱かせるチームと、そうではないチームには、決定的な違いがあります。それは、「練習内容の質」だけでなく、チーム全体の心理的・社会的な空気感に深く関係しているのです。本稿では、選手が自発的に練習へ足を運びたくなるようなチームづくりと、練習の設計について、脳科学・心理学的視点を交えながら解説します。

 

1. 【安全と承認】“安心していられる場所”であること

 

●キーワード:心理的安全性・承認欲求・扁桃体の抑制

 チームが“安心できる場所”であることは、参加意欲の前提条件です。脳科学的には、安心感があると扁桃体の過剰な活動が抑えられ、前頭前野が活性化しやすくなります。これは、「考える」「工夫する」「楽しむ」といった高度な脳活動を促す土台となります。

 

●事例:

 ある中学生のサッカーチームでは、練習前に「今日あったいいこと」を1人ずつ共有する“グッドニュースタイム”を取り入れました。結果として、選手同士が互いを知り、承認する空気が醸成され、「失敗を恐れずチャレンジできる雰囲気」が広がりました。

 

●解説:

 特に思春期の選手たちは、「評価される」「間違いを指摘される」ことへの敏感さが強く、自意識が高まりがちです。コーチが“上手くできたこと”だけでなく、“取り組みや姿勢”を日常的に認めることで、チームは承認の土壌に包まれていきます。これが「練習に行きたい」「あの空間に身を置きたい」という感情のベースをつくります。

 

2. 【意味と目的】“なぜこの練習をするのか”が腑に落ちていること

 

●キーワード:内発的動機づけ・前頭前野・自己決定理論

 脳は「意味のあること」には前向きにエネルギーを注ぎます。自己決定理論でも、“自律性”が満たされるとモチベーションは高まりやすいとされています。練習に「納得感」「理由」があるかどうかは、参加意欲を左右する大きな要素です。

 

●事例:

 バスケットボールのある高校チームでは、コーチが毎回の練習で「このドリルは、次の試合のこのシーンのため」という“目的説明シート”を配布しました。選手たちは「なるほど、だから今これが必要なんだ」と納得し、練習参加率も向上しました。

 

●解説:

 選手が“やらされ感”ではなく、“自分の成長とつながっている感覚”を持てることが重要です。説明のない練習は「なぜやるのか分からない宿題」と同じで、やる気を削ぎます。逆に、明確な文脈を与えるだけで、脳内のやる気ホルモン「ドーパミン」の放出量が増えることもわかっています。

 

3. 【挑戦と成長】“ちょうどいい壁”が設定されていること

 

●キーワード:フロー体験・チャレンジレベル・達成感

 練習が“退屈すぎても”“難しすぎても”やる気は失われます。大切なのは、**選手のスキルとチャレンジのバランスがとれた「フローゾーン」**を意識することです。達成可能だが簡単すぎず、ちょっと頑張れば乗り越えられる“ちょうどいい壁”は、選手の脳に快感をもたらします。

 

●事例:

 ラグビーのあるクラブでは、毎週「個別チャレンジカード」を配布。たとえば「今週はパスの成功率90%を目指す」「声がけ10回以上」など、自分で設定するチャレンジ項目により、選手が自発的に練習へ集中できるようになりました。

 

●解説:

 このような仕組みは、脳内の達成系システム(ドーパミン・線条体)を刺激します。達成感は「次もやってみよう」という自己強化ループを生み出し、「練習=自分を成長させる場」という認識につながります。

 

4. 【仲間とのつながり】“一緒にいると楽しい”と思える関係性

 

●キーワード:社会的報酬・オキシトシン・協働記憶

 「練習が楽しい=技術練習が面白い」だけではありません。「仲間と笑い合える」「自分の居場所がある」ことが、練習を継続したいという心理につながります。人間の脳は“社会的な報酬”にも強く反応し、良好な関係の中で学んだ情報の方が記憶にも定着しやすいとされています。

 

●事例:

 ある女子バレーボール部では、練習後に「ありがとうカード」を書き合う習慣があります。「今日のレシーブ助かったよ!」「応援の声が嬉しかった!」といった言葉のやりとりが信頼関係を築き、自然と参加意欲が高まっていきました。

 

●解説:

 仲間からの承認や感謝は、脳内にオキシトシン(信頼・絆を感じるホルモン)を分泌させます。このホルモンはストレスを軽減し、挑戦する勇気を後押しします。仲間とともに過ごす時間そのものが「ご褒美」になると、練習は“行かなきゃいけない場所”ではなく、“行きたい場所”に変わるのです。

 

5. 【コーチの関わり】“選手が主役”である関係性

 

●キーワード:ミラーニューロン・共感・問いかけ型指導

 コーチの態度や関わり方は、練習の空気を左右する最も大きな要素です。威圧的な指導や否定的なフィードバックが続けば、脳は防衛的になり「行きたくない」という感情が強まります。逆に、選手が“主体的に動ける”ような問いかけや承認があると、脳は活性化します。

 

●事例:

 ある陸上競技のコーチは、練習の終わりに「今日、自分が一番成長したことは?」という問いかけを全員に行っていました。この一言が、自分の行動を振り返る習慣につながり、「自分が主役である」という意識を育んでいました。

 

●解説:

 問いかけは、選手の自己認識力を高め、前頭前野を活性化させます。コーチが“管理する存在”から“引き出す存在”へとシフトすることで、選手の意欲と責任感が高まります。「コーチに言われたからやる」から「自分の意志で練習に来る」への変化が起きるのです。

 

おわりに

 練習に参加したくなるチームと練習とは、「やる気」を“引き出す”のではなく、“育てる”文化に支えられています。
 選手が「行きたい」と思うのは、そこに【安心】【納得】【挑戦】【つながり】【尊重】があるからです。
 脳の仕組み、心理の原理に基づいたチームづくりと練習設計こそが、選手の内発的モチベーションを自然に育み、結果として継続的な成長へとつながっていくのです。

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