なぜ職場で“いじめ”が起きるのか?
2025/07/10
なぜ職場で“いじめ”が起きるのか?
― 脳科学・心理学から読み解く“いじめの構造” ―
1. 【生存本能と「仲間はずれ」の恐怖】
▷ 脳の“社会的報酬回路”が深く関与
人間の脳は進化の過程で「群れで生きる」ことを前提に発達してきました。
そのため、「集団に受け入れられること」=生存の鍵と脳は判断します。
脳の前帯状皮質(ACC)は、身体的な痛みと同じように「社会的な拒絶(孤立)」も“痛み”として処理します。
つまり、仲間外れや無視=生理的苦痛として感じるのです。
この仕組みが、「自分が仲間外れにされないように、他人をいじめる(攻撃する)」という防衛行動に変化することがあります。
2. 【ドーパミンによる“支配の快感”】
▷ 優位性の確保が報酬として働く
加害者の中には、「相手を支配する」「屈服させる」ことで、
報酬系(側坐核・線条体)からドーパミンが分泌される状態になる者もいます。
これはマイクロパワーの中毒とも呼ばれ、自分が他者より上に立っていると感じたときに
快感を覚える脳の反応です。
特に、組織内で地位が不安定だったり、ストレスが高い状況だと、
自分の「安全」を確保するために、他者への攻撃で優越感を得ようとする傾向が強まります。
3. 【共感性の欠如とミラーニューロンの不活性】
▷ 他者の苦しみに鈍感な脳の状態
人間の脳には、相手の感情や行動を“自分のことのように感じる”ミラーニューロンという神経細胞群があります。
これが活性化していると、他者の痛みに自然と共感し、攻撃を抑制します。
しかし、いじめをする人にはこのミラーニューロン系の反応が弱い/抑制されていることが多く見られます。
これは、
- 幼少期からの共感教育の欠如
- 日常的なストレスや慢性的な不安状態(扁桃体過活動)
- 上司や同僚との“攻撃的な文化”の模倣
などによって形成される傾向があります。
4. 【集団心理と“責任の分散”】
▷ 心理的同調圧力と傍観者効果
社会心理学では、集団になると人は責任感が薄れやすくなる「責任分散の原理」が働くとされます。
これにより、「誰かが止めるだろう」「空気を乱したくない」といった気持ちが働き、
いじめを黙認・助長する集団構造が生まれます。
また、いじめの発生には、
- 社会的同調(同じ行動を取らないと不安になる)
- 権威への服従(上位者に従いやすくなる)
- 集団の“内と外”を分けて排除する傾向(内集団バイアス)
などが複雑に絡み合っています。
5. 【ストレス・フラストレーションと“攻撃の転位”】
▷ 無力感や苛立ちのはけ口としてのいじめ
「八つ当たり」のようなかたちでのいじめも多く見られます。
これは心理学的にフラストレーション・アグレッション理論と呼ばれ、
欲求不満やストレスが高まると、無関係な対象に攻撃が向かうという現象です。
職場でのいじめは、この理論に当てはまるケースが非常に多く、
特に「上からのプレッシャーを受けた中間管理職」が、立場の弱い社員に対して発散する構造が典型的です。
6. 【“見えない承認欲求”とアイデンティティの揺らぎ】
▷ 他者を貶めることでしか自分を保てない
承認欲求が満たされない環境では、人は「誰かより上に立つこと」でしか
自己価値を感じられなくなることがあります。
これは自己肯定感の低さと自己効力感の不足によって引き起こされる脳の不安定な状態です。
特に、側坐核や前頭前野の働きが弱まり、感情コントロールが効かなくなることで、
他者攻撃が“唯一の存在証明”のようになってしまうケースもあります。
まとめ:いじめの根本は「脳の未熟な適応」と「社会的構造の歪み」
いじめは、「悪い人が起こす問題」ではなく、
脳の“社会適応システム”が未成熟・過剰反応を起こすことによって生じる、極めて人間的な現象です。
その背景には、
- 集団内の空気
- 個人のストレス耐性
- 共感性の欠如
- 認知バイアスの偏り
- 情報処理能力の不足
など、脳と心理のバランスが崩れた“状態の結果”として現れます。
----------------------------------------------------------------------
fine lab.
〒886-0004
宮崎県小林市細野105-1 KBODYビル3F
電話番号 : 080-3979-0959
mile:info@fine-lab.jp
オンライン対応の企業セミナー
人材育成のオンラインプログラム
オンラインでスポーツ能力向上へ
子育てのオンラインスクール
オンライン形式で個別に対応
----------------------------------------------------------------------


