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なぜ、セクハラ研修が無意味なのか?

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なぜ、セクハラ研修が無意味なのか?

なぜ、セクハラ研修が無意味なのか?

2025/06/12

なぜ、セクハラ研修が無意味なのか?

1. 「研修」だけではセクハラを防げない理由?

 セクハラ研修の多くは「法律的知識の提供」「ハラスメント定義の確認」「禁止事項の周知」に終始している現状があります。

 結果、「研修を行いました」という実績だけは積み上がりますが、その効果は・・、ということになります。

 「法律的知識の提供」「ハラスメント定義の確認」「禁止事項の周知」等は、頭で理解する”レベルの学習になるので、必ず以下の3つの壁にぶつかってしまいます。

 結局は「やっただけ」になるケースが大半です。

  では、その3つの壁を見ていきたいと思います。

(1)脳の「快感記憶」と「報酬ループ」

  報酬系が“快感”として記憶した行為(たとえば優越感や支配感)を、人は反射的に繰り返す習性があります。理性では「ダメ」と理解しても、感情や快楽記憶が上回ると行動が止められないのです。

(2)無意識的な価値観とジェンダーバイアス(無意識の思い込み)

 性差別的な価値観や「冗談のつもりで…」という軽視の態度は、文化や環境によって無意識に刷り込まれています。研修ではこの“深層意識”にアクセスできず、「他人事」のままで終わってしまうケースが多発します。

(3)権力構造と“声の上げにくさ”

 研修をし実施しても、報復を恐れて告発できない環境があれば、加害者の行動が改まることはありません。つまり、組織文化そのものを変える必要があるのです。

2.セクハラの原因を科学する 先天性か?後天性か?

――遺伝と脳の働きから読み解く“欲求”と“抑制”のメカニズム――

 現代社会において「セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)」は、職場、学校、スポーツ、地域社会などあらゆる場面で問題視されています。

 では、なぜ人は他者に対して性的な言動をとるのでしょうか。

 その背景には、単なる“マナーの欠如”や“モラルの問題”だけでなく、脳と遺伝子の働きが複雑に絡み合っていることが、最新の科学で明らかになっています。

1)先天的な「性衝動」と遺伝子の関係

 まず注目すべきは、人間に備わる本能的な性欲です。

 この衝動は、進化的には「種の保存」や「生殖」という生命の根幹に関わる本能として、ヒトの遺伝子に深く刻まれています。特に、性ホルモン(テストステロンやエストロゲン)の分泌量や感受性は、個人差があり、これはある程度遺伝的に規定されています。

 また、遺伝子の中にはドーパミン受容体のように、「快感」や「報酬」に対する反応性を左右するものがあります。これが強い人ほど、刺激に対して過剰に反応しやすく、性的関心や衝動も高まりやすいという報告があります。

 つまり、「性的欲求の強さ」には、ある程度の生まれ持った特性(先天要因)が関係していることは否定できません。

2)後天的な「学習」と経験の影響

 セクハラが“行動”として現れるには、「衝動の存在」だけでは不十分なのです。実際に問題となるのは、それが社会的に不適切な状況であるし、相手の尊厳を侵害することでもあります。ここに深く関与するのが、後天的な学習や社会的体験です。

 人は成長の過程で「相手の気持ちを考える」「場の空気を読む」「ルールや倫理に従う」といったスキルを身につけていきます。これらはすべて、脳の前頭前野(特に背外側前頭前野)が担っており、衝動を抑制し、状況を読み、適切な行動を選ぶ力=実行機能(Executive Function)に関係しています。

 もしこの機能が未熟だったり、育つ機会を失っていたりすると、性衝動があってもそれを抑える力が働かず、「してはいけないとわかっていても、止められない」という状態になります。特に、幼少期からの環境(性に対する誤った学習)、女性蔑視的な価値観、権力に基づく上下関係の誤認識が、“してもいい”という誤解を生む温床になっているからです。

3)脳内報酬系と「やめられない」メカニズム

 さらに、セクハラ行為が繰り返される場合には、脳の報酬系の仕組みも関与しています。たとえば、相手に優越感を感じた、支配感を得た、あるいは反応があったなど、こうした出来事が快感と結びつくと、脳内でドーパミンが分泌され、その行動が“強化”されてしまいます。

 これは“やってはいけない”と知っていても、「脳が快感を覚えてしまった」ために、条件反射的に繰り返してしまうという悪循環を生み出します。つまり、セクハラは「悪いクセ」や「快楽依存」のように、習慣的に固定化されてしまう場合があるのです。

4)先天性 vs 後天性の複合要因

 結論として、セクハラの原因は先天的な性衝動の強さや遺伝的要因だけでなく、それを制御する力や行動として現れるかどうかは、後天的な教育・学習・環境の影響が圧倒的に大きいということです。

 生まれつき性衝動が強い人がいたとしても、それを社会的に適切に扱う知識と態度を学ぶ機会があれば、セクハラは防げるということです。逆に、性衝動がそれほど強くなくても、環境や文化がそれを助長すれば、問題行動につながることもありうるのです。

だからこそ、セクハラ問題を解決するには、

 

  • 「悪い人」探しをしない。
  • 「未成熟な脳の働き」だと理解する。
  • 「健全な性教育と倫理教育」の徹底を求める。

3.セクハラを限りなくゼロに近づけるためには!

セクハラは、

  • 個人の衝動
  • 文化の許容
  • 脳の習慣
  • 組織の構造 

の4つが絡んだ問題です。

したがって、研修だけではなく、立体的アプローチが必要となってきます。

◎脳・行動・組織文化への三方向アプローチ

セクハラを減らすためには、以下のような多層的アプローチが必要です。

(1)「脳の習慣」へのアプローチ:内省と感情認知のトレーニング

 

  • マインドフルネス:自分の感情の動き・衝動に気づく訓練(前頭前野の抑制力向上)
     
  • アンコンシャス・バイアス研修:無意識の差別・性別役割意識を言語化して見直す
     
  • ロールプレイ・当事者視点体験:相手がどう感じているかを擬似体験することで“共感ネットワーク”を活性化(ミラーニューロン系の活用)
     

(2)「行動科学」的アプローチ:罰ではなく仕組みで抑止

 

  • ナッジ理論の応用:「ハラスメントゼロ宣言」をポスター・メール署名などで日常的に見せる(選択的抑制を刺激)
     
  • 「その場の気づき」チェックカードの配布:話しかける前に“これは適切か?”と自問するような簡単な行動抑制ツール
     
  • “バディ制”導入:1対1の会話ではなく、第三者が常にそばにいるような制度設計(密室リスクの軽減)
     

(3)「組織文化」へのアプローチ:透明性と責任構造の整備

  • 通報システムの匿名化・独立性確保(例:第三者委託ホットライン)
     
  • 管理職の評価に“職場の安心度”を組み込む
     
  • 「ハラスメントを起こさない文化づくり」こそが成果評価になるような経営理念の再構築

(4)世界的に効果を上げた取り組み事例

◆ ノルウェー:ジェンダー平等教育を義務化

 幼少期から「性差」「相手の尊厳」「境界感覚」を教える道徳教育が徹底されている。

 大人の研修ではなく、“脳が未成熟な段階”から習慣化させる取り組みが、長期的にハラスメントの少なさに結びついている。

◆ カナダ軍の「リスペクト・イン・アクション」プログラム

 上下関係の厳しい軍組織において、全員が「被害者」「加害者」「傍観者」のすべての視点を体験するロールプレイ研修を実施。

 脳の共感系・報酬系に働きかけることで、行動変容が促された。

◆ 米国Google社:アンコンシャス・バイアス研修の義務化+匿名報告システム

 知識習得だけでなく、“言いにくさ”の壁をなくす工夫(匿名フィードバックや社外通報)により、組織内の抑止力が高まったとされる。

 

さいごに、

 今回、通常のセクハラ研修では解決しないというテーマで事例を交えながら解説してきました。

 人間は”知っている”と”出来る”は違うというのがわかっています。

 その代表が、ダイエットであったり、スピード違反であったり、禁煙、禁酒であったり、人の悪口であったり・・・。

 しかし、トレーニングの仕方を変えると、効果があるという事例もあります。

 また、脳機能学的にも、その解決方法を探ることは可能だと思われます。

 最後まで読んでくださったみなさん! 行動を起こしませんか?

 応援してます。

ありがとうございました。fine lab.代表 森 億

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