中高生向け fine理論で考える ミスのあと、次のプレーに戻れていますか?
2026/10/24
中高生向け
fine理論で考える
ミスのあと、次のプレーに戻れていますか?
― 悔しさに気づき、呼吸を整え、今できる行動を選ぼう ―
「あのシュート、決められたのに……」
シュートがリングにはじかれた瞬間、思わず下を向く。頭の中では、今のミスが何度も繰り返されています。
「また外した」
「大事な場面で決められない」
「みんなに迷惑をかけた」
その間にも、試合は進んでいます。相手がボールを運び、仲間が守備へ戻っている。顔を上げたときには、自分のマークが先を走っていた。
こんな経験はありませんか?
今回は、シュートを外したあとの場面から、次のプレーに戻るための心と行動の整え方を考えてみましょう。
悔しいのは、それだけ大切にしているから
シュートを外して悔しくなることは、自然な反応です。
練習してきたからこそ、決めたかった。チームの役に立ちたいからこそ、残念に感じる。悔しさの背景には、そんな思いがあるかもしれません。
だから、悔しくなった自分を、さらに責める必要はありません。
「こんなことで落ち込んではダメだ」
「すぐに前向きにならなければ」
そう考えるほど、自分の気持ちとの格闘が長くなることもあります。
まずは、「今、自分は悔しいんだな」と気づく。そこから、次のプレーへの準備を始めてみましょう。
起きたことに、どんな意味をつけていますか?
シュートを外したあと、少し分けて考えてみます。
起きたことは、「今のシュートが入らなかった」ということです。
一方で、「自分はダメだ」「もう信用されない」「今日は何をしてもうまくいかない」は、その出来事に対する自分の受け止め方です。
一本のシュートが入らなかったことから、自分の力や価値のすべてが決まるわけではありません。仲間がどう思ったかも、確認するまではわかりません。
ただ、試合中に、その解釈を一つずつ詳しく分析する時間はありません。
そこで、短く問い直します。
「今、何が起きた?」
「シュートが入らなかった」
「では、今することは?」
「守備に戻る」
このように、出来事を確かめ、今必要な行動へ意識を向けていきます。
fine理論で考える「気づく・整える・選ぶ」
fine理論では、心の反応に気づき、自分の状態を整え、その場で必要な判断や行動を選ぶことを大切にします。
今回の場面なら、次の三つです。
① 気づく――「今、悔しい」
下を向いている。肩に力が入っている。頭の中で「またやった」と繰り返している。
そんな自分の状態に気づいたら、心の中で短く言ってみましょう。
「今、悔しい」
「ミスのことを考え続けている」
うまく説明しようとしなくても大丈夫です。自分が今どこに意識を向けているかを、確かめてみてください。
② 整える――「息を吐いて、顔を上げる」
次に、体を使って、プレーへ戻るきっかけをつくります。
例えば、息を止めていたことに気づいたら、ふっと吐く。握りしめた手や肩の力を少し緩める。そして、顔を上げてコートを見る。
試合は動いているので、立ち止まって長い深呼吸をする必要はありません。動きながらできる、小さな整え方で十分です。
呼吸を一度整えたからといって、悔しさがすぐになくなるとは限りません。それでも、目の前の状況を見直すきっかけにはできます。
③ 選ぶ――「まず、守備へ戻る」
顔を上げたら、今必要な行動を一つ選びます。
「相手とゴールの間に入る」
「自分のマークを確認する」
「仲間に声をかける」
何を優先するかは、チームの約束や試合の状況によって変わります。
大切なのは、ミスを取り返そうとして、慌てて何でもやろうとしないことです。
「今の自分に必要な仕事は何か?」
その問いに、具体的な動きで答えてみましょう。
悔しさが残っていても、次のプレーは選べる
「切り替える」と聞くと、ミスを忘れ、気持ちを完全に前向きにすることだと思うかもしれません。
でも、気持ちはスイッチのようには変わりません。
悔しい。けれど、走って戻る。
落ち込んでいる。けれど、マークを確かめる。
自信が揺らいでいる。けれど、仲間に声を出す。
そんな戻り方もあります。
気持ちが整いきるのを待たずに、今できる行動を一つ選ぶ。
その経験を重ねることも、自分を動かす練習になります。
振り返りは、プレーが落ち着いてから
次のプレーへ戻ることは、ミスを振り返らないという意味ではありません。
試合が止まったときや練習後には、落ち着いて確かめましょう。
「あのシュートのとき、何を見ていた?」
「体のバランスはどうだった?」
「次に同じ場面が来たら、何を一つ変える?」
「自分はダメだった」で終えると、次に何を練習すればよいかが見えにくくなります。動きや判断を具体的に振り返れば、練習することを見つけやすくなります。
試合中は、今のプレーに戻る。
あとから、次に生かすために振り返る。
この二つを、どちらも大切にしていきましょう。
今日の練習で、自分の「戻り方」をつくろう
ミスのあとに使う、短い言葉と動きを決めてみてください。
「悔しい。ふっと吐く。顔を上げる。戻る。」
この言葉が自分に合わなければ、「次の仕事」「まず守備」など、自分が動きやすい言葉で構いません。
練習では、シュートが入ったかどうかに加えて、外したあとに何を選べたかも振り返ってみましょう。
顔を上げられた。守備へ走れた。仲間に声をかけられた。それも、自分の成長として確かめてよい行動です。
うまく戻れない日には、指導者や仲間と一緒に、自分に合う方法を探してみてください。
シュートを外した、その次の瞬間。
あなたは、どんなプレーを選びますか?
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